こんにちは、ロンドンとニューヨークへの留学経験があるさやです!
海外留学を考えている方は、IELTSの受験を考えていることもあるかもしれませんね。ただ、日本ではあまり聞きなれないので、どのような試験なのか分からない方もいるでしょう。
そこで今回は、IELTSの概要をまとめました。TOEFLとの違いも解説しているので、IELTSとどちらの試験を受験しようか迷う方は参考にしてくださいね。
目次
IELTS とは
IELTS は、英語を母国語としない受験者の英語力を判断するための試験です。ブリティッシュ・カウンシルとケンブリッジ大学英語検定機構が共同で運営しています。世界では年間300万人が受験しているといわれるほど人気を誇る試験なのです。
イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの大学や大学院への入学を希望する方や、海外移住申請に必要になります。また、アメリカでも TOEFLに代わる試験として入学審査の際に採用する教育機関が3,400を超えているのが現状です。
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、語力証明のグローバルスタンダードテストとして世界中で受験者が増え続けています。ただし、英検やTOEICと比べると難易度が高いといわれているので、徹底した試験対策が必要です。
IELTS の基本情報【受験料・試験会場】
IELTSの受験料や試験会場、試験方法など基本情報を確認しよう!
| 受験料 | 【筆記】25,380円【コンピューター】26,400円 |
| 試験方法 | 筆記・コンピューター |
| 試験時間 | 165分(4技能) |
| 試験日程 | 【筆記】全国16都市 【コンピューター】東京・大阪のみ ※試験日程は公式サイトで確認 |
| 試験会場 | 【東京テストセンター】 札幌・仙台・埼玉・東京・横浜・長野・金沢・静岡 【大阪テストセンター】 名古屋・京都・大阪・神戸・岡山・広島・福岡・熊本 |
| 申し込み方法 | IELTS公式ホームページ公益財団法人 日本英語検定協会 IELTS公式ホームページ ブリティッシュカウンシル 公式ホームページ |
| スコア | 1〜9のスコアで表示 ※バンドスコアの詳細はこちらで確認 |
| 申し込みで必要なもの | 有効期限内のパスポート |
IELTS とTOEFLの違い は?
IELTSとTOEFLではどんな違いがあるの?
発祥国
IELTS とTOEFLは発祥国が異なります。IELTSの発祥国がイギリスである一方、TOEFLはアメリカで生まれた英語試験です。従来は、イギリスやカナダ、ニュージーランド、オーストラリアに留学するときはIELTS、アメリカ留学はTOEFLのスコア証明が必須でした。ただ、近年はアメリカでもIELTSが英語力の測定試験として認められています。TOEFLは各国で利用されており、留学先によって使い分ける必要がなくなっているのが現状です。
英語の種類
IELTSとTOEFLでは、使用されている英語の種類が異なります。IELTSはイギリス英語、TOEFLはアメリカ英語が基本です。イギリス英語とアメリカ英語では発音が異なるため、リスニングの正解率に影響が出る場合があります。また、言い回しが異なる表現もあるので、聞き取りが難しいと感じることも多いです。特に、日本はアメリカ英語を習うので、イギリス英語に慣れる必要があります。
試験のやり方
IELTSとTOEFLは、試験のやり方に違いがあります。IELTSはペーパーテストが基本ですが、TOEFLはパソコンを使用した試験です。パソコンに慣れていない人はTOEFLのやり方に戸惑う人も多いようですね。ちなみに、IELTSはパソコンで受けるかペーパーテストで受けるか、受験者が自由に選択できます。ただ、スピーキングはどちらも試験官と対面式で行うので注意しましょう。
IELTSのテスト形式は2タイプ
テスト形式の2タイプを確認しよう!
アカデミック・モジュール
アカデミック・モジュールは、英語が母国語でない受験生が海外の大学や大学院に入学できる英語力があるかを評価する試験です。イギリスやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドの学校に入学したい場合、入学条件としてアカデミック・モジュールの試験結果が入学許可の判断基準となります。大学の講義や論文、専門家による講演などを想定した問題が多く出題されるのが特徴です。
ジェネラル・トレーニング・モジュール
ジェネラル・トレーニング・モジュールは大学や大学院以外での研修を考える方を対象にしている試験です。また、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドへの移住を検討する方は、ジェネラル・トレーニング・モジュールで一定以上のスコアを取得しなければいけません。移住者を対象にした試験ということもあり、日常生活やビジネスシーンでの会話を想定した問題が多いのが特徴です。
IELTS の試験内容
IELTSの試験は4技能あるよ!
Writing(ライティング)
ライティングは、2つのパートで構成される!
1つ目のタスクは、グラフや表などの資料をもとに情報を英語で要約する試験です。グラフや表などの資料を理解して英語をしなければいけないので、一見難しそうに感じますがコツを覚えれば比較的点数を取りやすいタスクだといえます。
2つ目のタスクは。一般的な時事内容に対して意見や論点をまとめて英語のエッセイを書きます。トピックは、新聞や科学系雑誌、学術論文など大学や大学院に入学することを想定した時事内容であるため、専門的な用語の理解が必要です。
Reading(リーディング)
アカデミック・モジュールの場合、3つのセクションで構成されているよ!
試験で使用されている文章は書籍や新聞、公的文書から抜粋されます。試験内容としては難しいですが、専門知識がなくても高得点を狙える内容になっているのが特徴です。
1つ目のセクションは、英語圏の日常生活を想定した試験内容になっています。2つ目のセクションは、仕事に関連する試験内容です。仕事の応募や会社理念、就業条件など実際に就職した際に直面するような内容の問題が出題されます。
3つ目のセクションは、雑誌や新聞から抜粋された一般的なトピックから出題されます。1つ目と2つ目のセクションは比較的短い文章ですが、3つ目のセクションは長文で内容も少し複雑な試験内容となっているので時間配分には注意が必要です。
Lisning(リスニング)
リスニングは、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールで同じだよ!
リスニングは、4つのパートで構成されています。1回だけ流れる音声で答えを導き出さなければいけないので、試験中は集中力が重要です。まず1つ目のパートは、ホテルやスポーツジムなど日常生活を想定した会話から問題が出題されます。
2つ目のパートは、ある人物の日常生活の話が出題されます。試験内容としては、地域や学校の施設に関する説明や描写が多いようです。3つ目のパートは、最大4人のスピーカーが登場します。教育現場や企業研修での会話や議論から出題されます。
最後は、大学の講義や講演会など学校生活を想定した問題が出題されるのが特徴です。他の問題に比べると、比較的問題が難しくなるので最後まで集中力が欠けないように注意しなければいけません。
Speaking(スピーキング)
スピーキングは、アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールで同じだよ!
スピーキングは3つのパートで構成されており、テスト中の会話はすべて録音されています。パート1は、パスポートや本人確認が済んだら試験官の自己紹介から始まります。そのあとは、仕事・趣味・興味、家族のことなどを質問されます。
パート1では、試験官から渡されるカードに記載されたトピックをもとに、2分間のスピーチを行う試験です。1分間スピーチの準備ができる時間を与えられるので、焦らず挑むことが大切です。
パート3は、試験官とディスカッションする試験です。2つ目のパートで使用したトピックに対して試験官と議論します。試験官から質問を受けるので、受験者は質問に対して自分の意見を述べます。
IELTS の採点方法
IELTSの採点方法はどんな感じ?
Writing(ライティング)
少なくとも2人、もしくは3〜4人のIELTS の試験官によって採点されるよ!
ライティングで採点基準になるのは、「課題の達成度」「一貫性とまとまり」「語彙力」「文法知識と正確さ」です。これらの採点基準を頭に入れて勉強するのが良いかもしれませんね。
Reading(リーディング)
リーディングの設問は40項目あるので、時間配分には要注意だよ!
リーディングの出題形式は、選択式、一致式、文章補完式などさまざまです。ただ、リーディングは、スピーキングやライティングとは採点方法が異なります。設問に正解すれば1点ごと加算されて、合計点でバンドスコアが決まるのが特徴です。
Lisning(リスニング)
リスニングの問題は、40項目あるよ!
リスニングは、1回だけ流れる音声を聞いて40項目の問題に答えなければいけません。リスニングは正誤問題であるため、リーディングと同じ採点方法です。各問題に正解するごとに1点加算されて、合計点によってバンドスコアが決まります。
Speaking(スピーキング)
スピーキングの試験は、試験官と会話するんだよ!
スピーキングは、日常生活でありがちな会話のようなものです。試験官と2人で会話するので、人見知りの方は少し緊張するかもしれませんね。ただ緊張すると言葉が出てこなくなるので、リラックスして試験に挑むことが大切です。
必要であれば、受験者のレベルに応じて話すスピードや質問の仕方を変えてくれます。もし質問を理解できないときは、素直に聞くのも問題ありません。スピーキングの採点基準は、「流暢さと一貫性」「語彙力」「発音」「文法力」「正確さ」です。
IELTSのスコアと難易度
IELTSは1〜9で段階的に評価され、各スキルの評価は0.5刻みで示されるよ!
| スコア | レベル | 内容 |
| 9 | Expert | 英語を自由に使いこなせる |
| 8 | Very Good | 込み入った議論に対応できる |
| 7 | Good | 複雑な言葉遣いも概ね対応できる |
| 6 | Compelent | 慣れた状況下で複雑な言葉遣いを使える |
| 5 | Modest | 得意分野で基本的なやり取りができる |
| 4 | Limited | 慣れた状況下で基本的な能力を発揮できる |
| 3 | Extremely Limited | 一般的な意味のみ伝えられる |
| 2 | Intermittent | 極めて基本的な英語力を理解できる |
| 1 | Non | 単語を羅列して英語の意思表示ができる |
IELTSの申し込みから試験当日の流れ
IELTSに申し込むには、まずIELTS IDを取得しなければいけません。ここでは、IELTS IDの取得から支払いまで一連の申し込み方法を確認しよう!
【STEP1】
まずは、IELTS IDを取得しよう!
IELTS IDを持っていない方は、「申し込み」を選択します。ただ、IELTS IDをすでに持っている方はIDとパスワードを入力してログインしましょう。
【STEP2】
受験情報と受験者情報を入力しよう!
表示画面に従って受験方法と受験者情報を入力します。この時点でどのような受験方法を選択するか決めておくと手続きがスムーズに進められます。
【STEP3】
受験の支払い方法を選択しましょう!
試験の支払い方法は、クレジットカード決済やコンビニ支払い、ゆうちょATM支払いから選べます。
【STEP4】
申し込み内容を確認しよう!
記入内容に間違いがあると、受けられない!といった受験会場でトラブルになる恐れがあります。間違いがないようにしっかり確認しましょう。
【STEP5】
これで申し込みは完了です!
ちなみに受験申し込みの変更やキャンセルは、5日前の12時(正午)までとなります。期限を過ぎると手続きできなくなるので注意してくださいね。
【STEP6】
試験当日はパスポートが必要だよ!
筆記試験当日までにパスポートのカラーコピーを準備しておきましょう。
【STEP7】
受験確認書をダウンロードしよう!
筆記テスト4日前の19時までに受験確認書をダウンロードしましょう。ちなみに、申し込み後にパスポートを変更したい場合は、筆記テスト5日前の12時までに手続きを行う必要があります。まず、マイページから「個人情報変更」を選び、変更後のパスポート番号と有効期限を入力して情報を更新します。
管轄のテストセンターにメールで更新の連絡をすれば、試験当日に変更したパスポートで受験できます。受験確認書で確認できるのは、当日の会場と集合場所を含むスケジュール、受験番号です。
【STEP8】
試験当日に持っていくものは?
パスポートの原本とパスポートをカラーコピーした紙を持参する必要があります。事前にパスポートをカラーコピーしておきましょう。カラーコピーする際の注意点には、次のようなものがあります。
- A4サイズに原寸大、顔写真ページを見開き
- パスポートの周囲に1cm程度の余白をあける
IELTSに関するよくある質問
事前に不明点は解消しておこう!
試験会場のコピー機はある?
残念ながら、試験会場にコピー機は用意されていません。試験当日に慌てないためにも余裕を持ってコピーしておくことをおすすめします。ちなみに、受験2回目以降もパスポートのカラーコピーは必要なので、忘れず持参してくださいね。
テスト結果はいつ分かるの?
原則として筆記テストの13日後に成績証明書が自宅に郵送されます。また、同日13時以降になるとマイページでも確認できるようになるので、状況に応じてテスト結果を確認してくださいね。
成績証明書は申し込めるの?
出願先に成績証明書を申し込みたい場合もあるかもしれませんね。このような場合は、マイページから申請すれば発行してもらえます。ただ、原則として成績公開後になるので注意してくださいね。
まとめ
IELTSは世界的にも知名度が高いので、受けるかどうか迷う方も多いでしょう。従来、IELTSはイギリスやカナダ、ニュージーランド、オーストラリアに留学する方向けの英語試験でした。
ただ近年は、アメリカでも導入する教育機関が増えているのでIELTSの受験者は増えています。スピーキングやライティング、リーディング、リスニングの4技能を並行してスキル向上できるので、試験勉強するだけでも得られることが多いです。興味があるなら、ぜひ受験してみてはいかがでしょうか。

